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ABRYSVO AREXVY RSウイルスワクチン (シンガポール版2024年10月現在)

ABRYSVO (アブリスボ) RSVワクチン

シンガポールで2024年6月承認されたワクチンです。

このRSVワクチンは妊婦への接種の適応もあります。

1) 出生から生後6カ月までの乳児における呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による下気道疾患(LRTD)および重症LRTDの予防のため、妊娠32週から36週の妊婦に積極的に予防接種を行う。

2) 60 歳以上の患者における RSV による LRTD 予防のための積極的な予防接種

60歳以上の高齢者におけるRSVによるLRTDの予防のための積極的な予防接種。


__


AREXVYは高齢者向けのみの適応になります。

AREXVYは、60歳以上の人向けののRSウイルスによる下気道疾患(LRTD)の予防のためにシンガポールで2024年5月承認されたワクチンです。

60歳以上のRSVによる下気道疾患の予防に82%以上の有効性

喘息、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性心不全(CHF)、進行した肝疾患や腎疾患、慢性呼吸器疾患・肺疾患を有する60歳以上の患者において、RSVによる下気道疾患に対し94%以上の予防効果が報告されています。


AREXVYは1回接種で、上腕部に注射します。


AREXVYの最も一般的な副作用は以下の通りです:


注射部位の痛み

疲労感

筋肉痛

頭痛

関節痛

COVID-19 Vaccination Recommendations(シンガポール版 2023年11月現在)

★最新情報は政府のウエブサイトで確認してください


Primary Vaccination Series

生後6ヵ月以上の人は、以下のいずれかの予防接種を受けることが推奨される。

Primary Seriesを8週間間隔で受ける:

ワクチン 年齢 投与量は ウエブサイト 7ページを参照

https://mail.google.com/mail/u/0/?tab=rm&ogbl#search/moh+circular/FMfcgzGwHpPFzdzXTvwrCWCxMDJwPJPC?projector=1&messagePartId=0.1

1 Pfizer-BioNTech/Comirnaty 6ヵ月~4歳 3mcgを3回接種

2 Pfizer-BioNTech/Comirnaty 5~11 歳 10mcg を 2 回接種

3 Pfizer-BioNTech/Comirnaty 12歳以上 30mcg×2回接種

4 Moderna/Spikevax 6カ月~5歳 25mcg×2回接種

5 Moderna/Spikevax  6~11歳 25mcg×2回接種

6 Moderna/Spikevax  12歳以上 50mcg×2回接種

7 Novavax/Nuvaxovid 12歳以上 5mcg×2回接種


First Booster Dose to Achieve Minimum Protection

最初のブースター接種

5歳以上の人は、1回目のPrimary Series が終了してから約5ヵ月後に、

1回目のブースター接種を受けることが推奨される。

ブースター接種は一次接種と同じワクチンブランドである必要はありません。

麻疹の流行とMMR ワクチンについて(2023年5月)

 麻疹の流行とMMR ワクチンについて

2023年5月、東京都内で麻疹の感染が確認されています。これは2020年2月以来3年ぶりで、インドから帰国した麻疹感染者と同じ新幹線の車両に乗車していた人を経由して感染が広がったようです。麻疹はアジア近隣諸国では多く報告されています。麻疹の感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。

麻疹は予防接種があり、小児は麻疹ワクチンを2回接種する必要があります。シンガポールでは、麻疹の予防接種はMMRワクチンで実施し、このワクチンには麻疹、おたふくかぜ、風疹が含まれています。日本ではMRワクチン(麻疹、風疹)を使用しています。シンガポールに住むすべての子どもに麻疹予防接種が義務付けられており、大人で麻疹の予防接種を受けていない人への接種も推奨されています。妊娠中は接種できません。2023年5月現在、近隣諸国では、インドネシア、インド、パキスタンで麻疹の流行が多く報告されています。海外渡航の機会があり、大人で麻疹の予防接種を2回接種を受けていない、あるいは接種歴が不明の方は、追加接種について医師とご相談ください。

参考資料:

国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles/221-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/549-measles-qa.html

アメリカ疾病予防管理センター https://www.cdc.gov/globalhealth/measles/data/global-measles-outbreaks.html


武田製薬デング熱ワクチンQdenga

 ★シンガポールでは2023年4月現在まだ未認可


武田製薬デング熱ワクチンQdengaは、4歳からのデング熱疾患の予防に適応されます。


Qdengaは、1回0.5mLを2回(0ヶ月と3ヶ月)のスケジュールで投与すること。

2023年4月現在、ブースターの必要性についての見解はない(追加接種必要なし)。

生ワクチン、皮下注射で投与する。


禁忌

成分に対する強いアレルギーがある

免疫機能が低下している

妊娠中・授乳中


2022年狂犬病ワクチンによる予防接種についてのアップデート(2回接種法)

2022年 狂犬病ワクチンによる予防接種についてのアップデート(2回接種法)

HDCV(ヒト二倍体細胞ワクチン)またはPCECV(精製ニワトリ胚細胞ワクチン)の[0、7日]による2回接種の選択肢が新たに推奨されています。

[0、7、21あるいは28日]による3回接種とどちらかにするかは医師と相談しましょう。


USの予防接種実施諮問委員会(ACIP)は、米国における病気を予防するためのワクチンの使用方法に関する米国の勧告を策定しています。ACIPは2022年5月に狂犬病ワクチンの推奨事項を更新しました。:


人の狂犬病を予防するためのACIP推奨 追加事項(2022年)

*3回接種のPrEPスケジュールに代わって、2回接種のPrEPスケジュールが最長3年間有効とみなされます。3年を超えて保護を維持するためのオプションも説明されています。

*狂犬病リスクカテゴリー:5つのリスクグループ(下のウエブサイトを参照)。

*狂犬病ワクチンのブースター投与が必要かどうかを判断するために使用される、検査値(抗体価)が改訂されました。

*2年ごとの抗体価測定が推奨されていた多くの人は、1回のみの抗体価測定(および一定レベル以下の場合はブースター)または1回のブースターを必要とするようになった。


狂犬病リスクカテゴリーと詳しい説明については、以下のウエブサイトを参照:https://www.cdc.gov/rabies/prevention/pre-exposure_vaccinations.html


風疹予防接種について

 風疹は、妊婦と発育中の赤ちゃんにとって非常に危険な病気です。

先天性風疹症候群(CRS)とは、母親が風疹ウイルスに感染している子宮内の発育中の赤ちゃんが風疹ウイルスに感染すると、特に妊娠初期に母親が感染した場合、難聴、白内障、心臓の障害、知的障害といった先天性風疹症候群(CRS)という障害が発生します。

風しんは、妊婦が感染すると生まれてくる子どもに影響が出ることがあり、感染対策が非常に重要です。ワクチンで予防できる感染症ですが、中年の日本人男性は、風しん抗体を持たないことがあり、自身が知らずに感染し、また、妊婦を含めた身近な人に感染を広めてしまう可能性があります。日本で風しん抗体保有率の低い可能性があるのは、厚生労働省の情報によると1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性ということです。


風疹の予防接種を受けていない人は、誰でもこの病気にかかる危険性があるため、予防接種歴を確認しましょう。


シンガポールでは風疹の予防接種はMMR(麻疹、おたふく、風疹ワクチン)で実施します。妊娠している女性は接種できません。女性が接種した後は2回月経が来る間は避妊をしてください。ご希望の場合はクリニックで風疹の抗体検査も実施可能です。


インフルエンザワクチンについて

今年は新型コロナウイルス感染症の流行により各国の国境閉鎖や移動の制限などで生活が大きく影響を受けています。例年これから北半球は冬の時期でインフルエンザ感染者数が増える時期に入りますが、こういった呼吸器感染症は、検査なしで症状から原因ウイルスを診断することは不可能です。ワクチンで予防できるインフルエンザの感染をできるだけ防ぎましょう。

インフルエンザワクチンには不活化されたウイルスが含まれています。接種後、ワクチンに対する免疫系の正常な反応により、微熱や痛みを感じることがありますが、通常1~2日の間に改善します。一時的に筋肉の麻痺がおこるギランバレー症候群という重篤な副作用は100万接種に1例程度で極めてまれです。

毎年のワクチン接種により、季節性インフルエンザのリスクが平均で約60%減少することが示されています。インフルエンザウイルスにはいくつかの型があるため、ワクチンを接種してもインフルエンザに罹患することもあります。しかし、ワクチン接種することで、インフルエンザ重症化や合併症の発生率を低下させ、その地域、社会においてインフルエンザの発生率を低下させることが報告されています。家族間は距離を取ることが難しく感染予防が難しいため、ご家族のみなさまでインフルエンザワクチン接種をご検討ください。

シンガポール・ワクチン接種のスケジュール変更

 202011月よりワクチン接種のスケジュールの変更があります。

水痘、MMRMMRV

1回目は1歳、2回目は13か月で実施します。
1
回目 MMRVaricella(水痘)副反応が少ないため別々に接種

2回目 MMRV接種が可能です。

B型肝炎、PCV6 in 1 のスケジュール変更があります。

生後 HBV1回目

2か月 6 in 1 ,PCV(シンガポールスケジュールの場合2か月目PCVは省略可)

4か月 5 in 1, PCV

6か月 6 in 1, PCV

12か月 PCV

18か月 5 in 1

HBV抗原陽性の母親から出生した児は

B型肝炎のDose1,Dose2は単体ワクチンで接種します。

シンガポールやUKではPCVは合計3回接種でも可、となっていますが

PCVワクチンの基本スケジュールや日本のスケジュールでは4回接種です。

ポリオワクチン(5回目)

ポリオワクチンでは小学5年生で経口ポリオワクチン5回目接種を行っていましたが(ローカル校のみ)、今後はTdap-IPVワクチンになるようです。


髄膜炎菌ワクチン

学生寮など集団で滞在する学生は髄膜炎菌ワクチン接種を検討しましょう。

髄膜炎菌は健康な人の鼻やのどの粘膜にも存在しており、
ヒトからヒトへとうつります。
まれに菌血症や髄膜脳炎など侵襲性髄膜炎菌感染症を引き起こします。
乳幼児と10代後半に感染例が多く、集団生活(寮や合宿など)で
感染が広がることがあります。

髄膜炎菌4価ワクチンA/C/Y/W-135に対するワクチン(MenQuadfi・Nimenrix

髄膜炎菌血清グループBに対するワクチン(Trumenba)を当院では予約制で行っています。


Trumenba

1.接種スケジュール: 2回接種。1回目を接種後、6ヵ月後に2回目を接種する。

2.感染リスクが高い人のスケジュール:3回接種。

1ヵ月以上あけて2回目を接種し、2回目の接種から4ヵ月以上あけて3回目を接種する。


対象年齢: 10歳以上65歳未満


MenQuadfi

接種スケジュール: 1回接種。

対象年齢: 1歳以上


Nimenrix

1.1歳以降、入寮や留学前の学生、成人では、1回接種で終了

2.生後6〜12週の乳児:3回接種

1回目:6週以降
2回目:1回目から2か月後
3回目:生後12か月

日本での昨今の麻疹の流行とMMR ワクチンについて教えてください


日本での昨今の麻疹の流行とMMR ワクチン

2018年425日までに沖縄県で71名、愛知県で8名が報告されています。
2018年は例年と比べ東南アジアやヨーロッパで多く麻疹が報告されているため、これらの国と関係が深い日本にも感染が広がってしまったようです。

  1. 麻疹はどのような病気ですか?
    高熱、呼吸器症状、結膜炎、発疹などの症状が10日程度続きます。非常に感染力が高く、1000人感染すると2人が死亡、けいれんや肺炎などの合併症の率が高く、感染後抵抗力が回復するまでに長期間かかります。
  2. MMR とは、どのようなワクチンですか?
    MMR(麻疹、流行性耳下腺炎、風疹)の生ワクチンで、シンガポールを含め世界的に広く用いられています。
  3. 接種にあたり、受ける時期や回数など教えてください。
    シンガポールでは1歳時に1回目、3-6か月空けて2回目を接種します。
    大人で麻疹、風疹、流行性耳下腺炎それぞれの予防接種を2回接種を受けておらず、既往歴がはっきりしない人は追加接種について医師とご相談ください。
  4. どのような方におすすめしますか? それはなぜですか?
    20-40代の男女。特に男性は風疹の接種歴も不足している方が多くいます。
  5. 気をつけるべき点
    妊娠している可能性のある女性は接種できません。念のため妊娠する可能性のある女性は2か月は避妊してください。

MMRワクチン接種で、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎の免疫をつけよう



2018年3月下旬以降、麻疹を発症している台湾からの旅行客がら沖縄に麻しんが流始まり、4月 末までに 80例以上が報告されています。
麻しんは、ワクチンによって予防できる感染症です。現在の定期予防接種は日本ではMR1期が1歳、2期が小学校入学前、シンガポールではMMR1歳で2回接種します。この2回接種によって麻しん をほぼ予防することができます。

世界的には麻疹はありふれた感染症です。特にアジアは多く、年に10万人程度の麻疹に罹患していると考えられています。
2017年はヨーロッパでも麻疹が流行し、2016年は5000件でしたが、2017年は2万件以上報告されています。

20-40代では、予防接種の回数が1回のみの方が多く、今回多くの麻疹罹患がこの年代に多いようです。シンガポールで暮らす邦人は、出張や旅行で各国に旅行される機会が多いと思います。麻疹、風疹接種歴を確認し2回目接種がない人や、既往歴がはっきりしない人はMMR追加接種を受けましょう。

シンガポールでは9価のHPVワクチンを実施しています

HPVワクチンは

ヒトパピローマウイルスによって起こるがんを防ぐことができます。HPVウイルスは150以上の型が存在し、とてもありふれたウイルスで、ほとんどの場合は自然にいなくなります。しかし、ハイリスク型HPVウイルスは、長期間感染することで、子宮頸部や外陰部、咽頭がんを引き起こすことがあります。HPVワクチンは、ウイルスの感染を防ぎ、子宮頸部の高度異形成や外陰部のコンジローマ(ウイルスによるイボ)を防ぐ効果があります。

9価のHPVワクチン

シンガポールで今年接種が開始された9価のHPVワクチンは、子宮頸がん90%に関与する高リスクの7つの型、コンジローマ(ウイルスによる外陰部のいぼ)の90%に関与する2つの型のHPVに予防効果を示し、従来の2価および4価のHPVワクチンよりもカバーする範囲が広いのが利点ですHPVウイルスの感染を防ぎ、子宮頸部の高度異形成や外陰部のコンジローマ(ウイルスによるイボ)を防ぐ効果があります。接種後も、20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検査を受ける必要があります。

対象年齢、スケジュール

すべての若年女性は11,12歳になったら早めにワクチン接種を検討しましょう。9歳から14歳は5ヶ月以上開けて2回接種、15歳以上では3回接種します(0、1-2、6ヶ月)。男性にも接種可能です。

安全性
子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を防ぐワクチンの定期接種について、自治体から接種対象の女性へ予診票などを送る積極的勧奨が、2022年4月から約9年ぶりに再開されました。世界的にも、WHOなど国際機関は接種を推奨し、世界各国のワクチン接種プログラムにより子宮頸部や外陰部のHPV関連疾患の低下が報告されています。

B型肝炎が定期接種になりました


B型肝炎ウイルスは肝障害を起こすウイルス感染症で血液や体液から感染することがあります。
成人になって感染した場合、急性肝炎を起こした後治癒することが多いですが、乳幼児期に感染した場合、感染状態が継続し(慢性肝炎)、大人になって肝硬変や肝がんへ進展することがあります。

B型肝炎の感染は乳児期の集団保育で知らないうちに感染したり、ウイルスを持つパートナーとの性感染症でおこることがあります。
このようにB型肝炎の感染は日常生活でも起こり得ることから、多くの国はB型肝炎ワクチンを定期予防接種と位置づけています。

B型肝炎ワクチンを接種(3回)することで、感染予防することができます。
B型肝炎の感染既往や予防接種の免疫の有無は、血液検査で確認することができます。
A型肝炎とB型肝炎の混合ワクチンもあります。

今まで予防接種を受けたことがない人は接種をぜひご検討ください。



日本脳炎ワクチン

シンガポールでは日本脳炎に罹患する危険はありませんが、東南アジア、日本、中国、オセアニアでは蚊に刺されて感染する危険があるため、あまり遅くならないうちに、日本かシンガポールでの接種をお勧めしています。


当クリニックではSanofi社のIMOJEVを採用しています。
(値段はクリニックにお問い合わせください。予約制です。)



ワクチン 年齢 追加接種の目安
IMOJEVSanofi】生ワクチン 1歳~17歳以下 1年~2年以内で実施
18歳以上 5年後
子供の接種(1歳以上)では、1回で96%の割合で免疫がつきます。1年後から2年以内の再接種で、長期(最低3年間)の免疫維持が期待できます。
大人の接種(18歳以上)では1回の接種で95%の割合で免疫がつきます。

IMOJEVは不活化日本脳炎ワクチンの追加接種で使用することもできます。

MMRとMMRVワクチン

1 Nov 2020より、シンガポールでは水痘ワクチンが定期接種となります。1回目は1歳、2回目は1歳3か月で実施します。

1回目のワクチンはMMR+Varicella(水痘)←熱を伴うけいれんなどの副反応が少ないため
2回目のワクチンはMMRVの使用が可能です

●MMR
MMRMeasles,Mumps,Rubella(麻疹、流行性耳下腺炎、風疹)を予防します。
シンガポール予防接種スケジュールではMMRワクチン1回目は12ヶ月、2回目は15ヶ月から18ヶ月の間に実施します。

MMRの副反応で一番多いのは、接種部位の腫れと痛み、耳下腺、顎下腺の腫れです。熱を伴うけいれんもまれに起こります。熱を伴うけいれんが、接種する前の期間と比較して3000-4000回に1回の頻度で多かったという報告があります。 接種8-14日後に起こることが多いです。

●MMRV
MMRワクチンの代わりにMMRVワクチンを選択することもできます。

Measles, Mumps,Rubella麻疹流行性耳下腺炎風疹に加え Varicella水痘もカバーするワクチンです

MMRワクチンと比べて、副反応の発熱とけいれんの頻度がやや高いと報告されています。
頻度としては、MMRではなくMMRVワクチン接種を選択したとき、熱によるけいれんの副反応が2300-2600回に1回多く起こる、ワクチン接種後5-12日の間に起こることが多く、24-47ヶ月の児に頻度が高いという報告があります。


●熱を伴うけいれんの頻度に関する報告
MMR+水痘ワクチン同時接種、MMRVワクチンの比較)
MMRVワクチン単独 10000例に8例
MMR+水痘ワクチン 10000例に4例

ロタウイルスワクチン


クリニックではRotarix®を採用しています。クリニックまで予約をお願いします。
接種対象は6-24週の乳児です。

ロタリックスRotarix®は経口の弱毒化生ワクチンです。
接種スケジュール
基礎免疫を付けるために2回の接種をします。
標準スケジュールは生後6週で1回目、4週間あけて2回目を接種します。
24週までに接種を終了するようにしましょう。

副反応、注意点
発熱、下痢、嘔吐、食欲不振、不機嫌、中耳炎、咳・鼻水などが報告されています。
一時的には腸重積という腸の病気の危険が高くなる可能性がありますが、長期的にはロタウイルス感染の頻度が減少するため、利益のほうが大きいと考えられています。
このワクチンを接種(特に初回時)されたおよそ26%の乳児の便から、ロタウイルスが検出されたという報告があります。期間は接種日から15日までの間で、第7日目がピークです。念のためご家族をはじめ周りの人は、乳児の便の処置の際は、手洗いを心がけてください。

狂犬病ワクチン

狂犬病の流行地の地図です。全世界にあり、年間約5万人の人が亡くなっています。(WHO)

狂犬病ワクチン

狂犬病は、ラブドウイルス科、狂犬病ウイルス(rabies virus)による感染症で、感染すると脳炎などを起こし、致死率の高い疾患です。この病気で、世界で毎年約5万人の人が亡くなっています。

このウイルスは、狂犬病にかかっている哺乳類の唾液に含まれており、咬まれるなどすると、ウイルスが神経に感染し、脳まで伝播します。
犬以外にも、キツネやコウモリなど、すべての哺乳類が感染源となります。このウイルスに感染し、症状を発症すると、7-14日でほとんどが死亡します。

狂犬病にかからないために
流行地では、野生の動物に近づかないようにしましょう。傷をなめられるだけでも、ウイルスに暴露された可能性もゼロではありません。
野生動物による傷は、傷口を水と石鹸でよく洗って、なるべく早く病院を受診し、狂犬病ワクチンと狂犬病免疫グロブリン接種を検討しましょう。(狂犬病ワクチンはウイルス暴露後も接種可能です。)

狂犬病ワクチン接種を検討しましょう
狂犬病流行地に、野外に長時間滞在を予定している場合、あらかじめ狂犬病ワクチン接種を検討しましょう。子供のほうが感染する危険が高いといわれています。
予防接種の場合、ワクチンは3回接種です。2回目は1週間後、3回目は34週間後に接種します。
狂犬病流行地の地図はこちらをご覧くだい。

ポリオワクチン


不活化ポリオワクチンについて

日本ではポリオワクチンは定期接種です。
2012年9月日本でも不活化ポリオワクチンが認可されました。
経口生ワクチンでは接種回数は計2回でしたが、不活化ポリオワクチンでは4回接種が必要です。(初回接種3回、追加接種1回


接種回数は?
シンガポールは、合計5回接種します。(初回接種3回、追加接種2回
諸外国は国によって異なります。米国では、不活化ワクチン4回接種、イギリスでは5回接種です。

生ワクチンを1回分接種済のお子さんは、残りの3回は不活化ポリオワクチンで接種(合計4回)、不活化ポリオワクチンのみ接種の場合は計4回の接種しましょう。
生ワクチンを2回分接種済みのお子さんは、不活化ポリオワクチン接種は必要ありません。
(厚生労働省ーポリオとポリオワクチン基礎知識)

インターナショナルスクールや、ローカルスクールの入学・転入時に、経口ワクチン計2回のみの接種では不十分とみなされる場合があるかもしれません。(学校によって異なります。)
この場合の追加接種については医師と相談して決めましょう。

シンガポールの4種混合、5種混合、6種混合ワクチンには、不活化ポリオワクチンが含まれています。混合ワクチンを上手に利用しましょう。
不活化ポリオ単体のワクチン接種も可能です。


アジアへ旅行・赴任の場合、渡航前の予防接種スケジュール

日本脳炎の年齢別抗体保有率。25歳を過ぎると抗体値が減少しているため、
東南アジア旅行の際には予防接種の追加をおすすめします。
http://idsc.nih.go.jp/yosoku/JE/Serum-JE2010.html




こちらのCDCのサイトで、渡航先別おすすめワクチン一覧が分かります。


●A型肝炎ワクチンを優先的に接種します。

●破傷風ワクチン
1968年(日本で破傷風が定期接種になった年)以前に生まれた人は幼児期に破傷風トキソイドの接種を受けていない方が多いようです。3回接種をお勧めします(0-1-6ヶ月後)。1968年以降に生まれ、母子手帳などで接種歴があり基礎免疫があると判断した場合には、1回の追加接種を行います。追加接種で破傷風に対して10年間の予防が可能です。破傷風の予防接種は、破傷風単体のワクチンの代わりにTdap(大人用3種混合ワクチンで破傷風だけでなく百日咳とジフテリアが含まれています)を使用する場合もあります。
ワクチンの中には数回(23回)接種する必要のあるものもあります。海外への赴任、旅行の予定があれば、できるだけ早い時期に予防接種スケジュールを立てましょう。


●B型肝炎

2016年10月より日本で定期接種化されました。未接種の場合は接種をお勧めします。 主に血液(輸血、針刺しなど)、体液、性感染、家族間など濃厚な接触によって感染です。東南アジア、南アジアのB型肝炎ウイルス保持者は8%以上と考えられています。WHOは定期接種として推奨しており、先進国の90%以上が定期接種として採用しています。
(混合ワクチン有:A型肝炎ワクチンも一緒に接種できます。)



その他、渡航先によって、相談しましょう。
(腸チフスワクチン、日本脳炎ワクチン、狂犬病ワクチンなど)

*腸チフス 南アジアの地方、住人宅に滞在するなどあれば、接種を推奨します。 水や食べ物で感染します。(2歳以上、筋注、1回打ちで3年間有効)

*日本脳炎 日本の定期接種です。大人の方で日本脳炎の予防接種を受けていない場合は接種を推奨します。日本脳炎ウイルスを持った蚊に刺されることで脳炎を発症します。

*狂犬病 アジア地域の途上国への赴任や、学校での野外キャンプ、犬の多い地域への国外出張が多い場合は接種を推奨します。動物に咬まれることで感染します。(3回打ち。2回目は7日後、3回目は21日あるいは28日後)

ワクチン接種の計画は余裕をもって早めに!
ワクチンの同時接種についてもご相談に応じます。

予防接種の同時接種

お子様の予防接種など、何度もクリニックに行くのが大変だと思われる方は、同時接種についてお気軽にご相談ください。

生ワクチン同士、不活化ワクチン同士の同時接種、生ワクチンと不活化ワクチンとの同時接種も可能です。
同時接種により、それぞれのワクチンの効果が弱まることはありません。
副反応出現率はやや高くなります。
 (副反応は接種したそれぞれのワクチンから出現する可能性があるためです)

副反応で、発熱が出た場合に備えて、ご希望の場合は解熱薬をあらかじめ処方いたします。

ラベル

Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です