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麻疹の流行とMMR ワクチンについて(2023年5月)

 麻疹の流行とMMR ワクチンについて

2023年5月、東京都内で麻疹の感染が確認されています。これは2020年2月以来3年ぶりで、インドから帰国した麻疹感染者と同じ新幹線の車両に乗車していた人を経由して感染が広がったようです。麻疹はアジア近隣諸国では多く報告されています。麻疹の感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。

麻疹は予防接種があり、小児は麻疹ワクチンを2回接種する必要があります。シンガポールでは、麻疹の予防接種はMMRワクチンで実施し、このワクチンには麻疹、おたふくかぜ、風疹が含まれています。日本ではMRワクチン(麻疹、風疹)を使用しています。シンガポールに住むすべての子どもに麻疹予防接種が義務付けられており、大人で麻疹の予防接種を受けていない人への接種も推奨されています。妊娠中は接種できません。2023年5月現在、近隣諸国では、インドネシア、インド、パキスタンで麻疹の流行が多く報告されています。海外渡航の機会があり、大人で麻疹の予防接種を2回接種を受けていない、あるいは接種歴が不明の方は、追加接種について医師とご相談ください。

参考資料:

国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles/221-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/549-measles-qa.html

アメリカ疾病予防管理センター https://www.cdc.gov/globalhealth/measles/data/global-measles-outbreaks.html


Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です