ジカウイルス感染症に関して(2023年5月23日更新)
1. ジカウイルス感染症は、主にAedes蚊(デング熱と同じ媒介蚊)によって感染する。
精液からウイルスが検出されるため、性行為による感染もまれに起こりうる。
2. 潜伏期間:感染した蚊に刺されてから3~14日。
症状:発熱、斑点状皮疹、関節痛、筋肉痛、頭痛、結膜炎などが、4~7日間続く。症状が出るのは5人に1人程度。症状はデング熱に似ている。
3. 妊娠中の感染は、小頭症などの胎児合併症と関連。
4. 診断方法: 血清・尿の逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査により診断。
(シンガポールのガイドラインでは尿検査が推奨されている。)
ジカ熱検査は他のフラビウイルス(例:デング熱や黄熱病)に対する抗体との交差反応性があります。したがってシンガポールでは血清学的のみで検査を使用することは推奨されない。
5. ジカ熱に対する特異的な治療法はない。
6. ジカ熱感染を予防するためのワクチンはない。
7. 予防:シンガポールの感染地域に住んでいる人は蚊対策。妊娠希望があれば、流行地には渡航しない。
■夫婦で妊娠を計画しており、どちらかがジカ流行地域被災地に住んでいる場合の、MOH(シンガポール保健省)のアドバイス
まずは、蚊に刺されないように厳重に注意すること。
蚊に刺されないように厳重に注意し、さらに疑問があれば医師に相談する。
女性に症状がある場合(発熱や発疹のほか、目の充血や関節痛などの症状がある場合): 速やかに医療機関を受診し、ジカ熱の検査を受ける。
ジカ熱の診断を受けた場合、
妊娠を希望する場合は、回復後少なくとも8週間は性行為を控える。
男性に症状がある場合(発熱や発疹、目の充血や関節痛などの他の症状がある場合): 速やかに医療機関を受診し、ジカ熱と診断された場合、少なくとも3か月間はコンドームを正しく使用し避妊をすること。