「アトピー性皮膚炎とは何ですか?」
湿疹のある人は、皮膚の刺激やアレルギー症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)に反応し、炎症を起こす免疫系が過剰に働く傾向があります。そういった湿疹はアトピー性皮膚炎とよばれ、かゆみを伴う湿疹を慢性的に繰り返します。アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下していたり、皮膚に炎症があることが分かっています。
「湿疹が時々悪化します」
湿疹の危険因子はたくさんあります。皮膚の乾燥、刺激物との接触、環境からホコリダニ、花粉などのアレルゲンにさらされること、食物アレルギー、湿気が多くて暑い場所に住んでいる、汗や汚れにさらされる、ウイルスに感染した後など…アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は様々です。どのアレルゲンがしっしんの悪化の原因であるかは、検査結果のみで判定することは困難で、これまでの経過などの情報を総合して判断します。 局所的な刺激物やアレルゲンに触れた後、しばらくしてから湿疹が悪くなることも多く、原因特定が難しいことも多いです。
「生まれつき皮膚が弱いのは遺伝ですか?」
体の皮膚にはフィラグリンなど皮膚のバリア機能を維持するタンパク質があり、関連する遺伝子変異により皮膚のバリア機能が低下している人もいます。また、不十分な皮膚のバリア機能により外界の物質にさらされやすくなることで、その後のアレルギー疾患(喘息やアレルギー性鼻炎など)が増加するとも考えられています。湿疹があれば、保湿で皮膚を保護し、医師の指示のもとステロイド外用薬で早めにしっかり治療しましょう。