このブログを検索

ラベル アレルギー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル アレルギー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

子どもの湿疹

「アトピー性皮膚炎とは何ですか?」

 湿疹のある人は、皮膚の刺激やアレルギー症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)に反応し、炎症を起こす免疫系が過剰に働く傾向があります。そういった湿疹はアトピー性皮膚炎とよばれ、かゆみを伴う湿疹を慢性的に繰り返します。アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下していたり、皮膚に炎症があることが分かっています。


「湿疹が時々悪化します」


 湿疹の危険因子はたくさんあります。皮膚の乾燥、刺激物との接触、環境からホコリダニ、花粉などのアレルゲンにさらされること、食物アレルギー、湿気が多くて暑い場所に住んでいる、汗や汚れにさらされる、ウイルスに感染した後など…アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は様々です。どのアレルゲンがしっしんの悪化の原因であるかは、検査結果のみで判定することは困難で、これまでの経過などの情報を総合して判断します。 局所的な刺激物やアレルゲンに触れた後、しばらくしてから湿疹が悪くなることも多く、原因特定が難しいことも多いです。


「生まれつき皮膚が弱いのは遺伝ですか?」


 体の皮膚にはフィラグリンなど皮膚のバリア機能を維持するタンパク質があり、関連する遺伝子変異により皮膚のバリア機能が低下している人もいます。また、不十分な皮膚のバリア機能により外界の物質にさらされやすくなることで、その後のアレルギー疾患(喘息やアレルギー性鼻炎など)が増加するとも考えられています。湿疹があれば、保湿で皮膚を保護し、医師の指示のもとステロイド外用薬で早めにしっかり治療しましょう。


ピーナッツアレルギー


食物アレルギーは、子供の4-8%、大人の1-2%にみられます。アトピー性皮膚炎など、他のアレルギー疾患の病歴や家族歴があることが多いです。子供の食物アレルギーは、成長するに従い、症状が出なくなることも多いです。

牛乳、卵、大豆、小麦、ピーナッツ、ナッツ類(クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンドカシューナッツ、ピスタッチオ、ペカンpecans)、魚、貝類、以上の8種類が食物アレルギーの90%以上を占めます。ピーナッツ、ナッツ類、魚、貝などはアナフィラキシーを起こす危険が比較的高く、治りにくいことが多いです。

初めてのピーナッツアレルギーのエピソードに関する調査です。
14-24ヶ月の時期に発症することが一番多く、具体的な症状は以下の通りです。皮膚の症状(蕁麻疹、血管性浮腫など)89%、呼吸器症状(咳、呼吸症状、鼻閉)42%、消化器症状(嘔吐、下痢など)、循環器症状(低血圧、頻脈など)4%

20-30%のケースではいったん症状が改善した後、4-8時間後に再び症状があらわれる、二峰性の反応が起こったという報告があります。また、ピーナッツアレルギーの多くは1粒以下のピーナッツを食べて症状を起こしており、重症アレルギー反応はごくわずかのピーナッツでも起こることもあります。

スナック菓子などを購入する際には、原材料の欄をチェックし、ピーナッツを含んでいないか確認しましょう。
ピーナッツアレルギーに限らずアレルギー症状を起こしやすい人は、抗ヒスタミン薬を手持ちで持っているとよいでしょう。重症アレルギー反応が起こったときにすぐ対応できるようにエピネフリンの自己注射を処方することがあります。

小児アレルギー性鼻炎


どれくらいの子供にみられますか?
アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎を合わせた有病率は6-7歳児の0.8%-14.9%13-14歳児の1.4%-39.7%と、国によって報告が異なるものの、先進国に多い疾患で、過去20年でおよそ2倍に増加しています。

原因になるアレルギー物質は?
アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)は、屋内ではほこり、ダニ、ペットの毛など、屋外では草や花粉などです。食べ物のアレルギーは通常アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎をおこすことはありません。

風邪とどのように違いますか?
一般的には、ふつうの風邪でおこる鼻水は10日以内に改善することがほとんどです。鼻症状が10日以上続く場合や、日常的に鼻水などがある場合は、鼻アレルギーが関係している可能性が高くなります。一般的な風邪以外にも、鼻炎症状を起こす耳鼻科の病気として、アデノイド肥大症、鼻中隔弯曲、鼻の中の異物、鼻ポリープなどがあります。そのほか、上咽頭の肉芽腫やがんが関係することもまれにあります。

どうやって診断しますか?
一般的には、鼻の中をチェックし、病歴を聞くことで診断が可能です。鼻アレルギーの主な鼻症状は、鼻閉、水様鼻汁、くしゃみ、鼻のかゆみです。鼻炎に関係して、咳や、体のだるさ、いびき、口呼吸の頻度も高くなります。大人で、動物や花粉に関連して症状が起こる場合、アレルギー性鼻炎と診断される率が4倍になります。子供でアレルギー性鼻炎がある場合、喘息、湿疹、滲出性中耳炎にかかる確率も高くなります。

アレルギーを調べる検査は?
スキンプリックテストや血液中の特異的IgEなどです。主なアレルゲンは、ほこり、ペットの毛、花粉、草などです。食物アレルギーについて調べる必要はありません。

治療
アレルギー性鼻炎の大人に対する治療の第一選択薬は点鼻ステロイドで、抗ヒスタミンよりも効果が認められています。子供に対するアレルギー性鼻炎については、大人の場合よりもはっきり違いは認められないので、どの薬を用いるかは、主治医と相談して決めましょう。

時に軽い症状がある場合
 経口/経鼻ヒスタミン、生理食塩水での鼻腔内洗浄

時に症状があり程度は重い、あるいは、常に症状がある場合
 経鼻ステロイド、経口/経鼻ヒスタミン、鼻閉がある場合は血管収縮薬を短期間使用。
 症状が改善しているときは、1ヵ月治療を継続した後、治療を減量していく。
 
以上の治療でも症状が改善しない場合、専門医での診察と検査をおすすめしています。

小麦アレルギーの人が注意する食べ物


小麦アレルギーの人が食べる物について、留意するべきこと

ラベルを注意して読みましょう。ホットドックやアイスクリームにも含まれることがあります。
かに加工品(蟹かまぼこ、すり身)に小麦の成分が含まれることがあります。
牛、豚、えび料理、特にアジア料理において、小麦で味付けがされていることがあります。
フードラベルに以下のものが含まれる食物は避けてください
パン粉、クラッカー、でんぷん、パスタ、クスクス、セモリナ、ブルグア…(世界各地で、小麦の粉がいろいろな名前で呼ばれている)
以下の食物に小麦が含まれることがあるので念のため注意してください
砂糖のシロップ、しょう油、すり身

シンガポールのアレルギーに詳しい小児科専門医に紹介も可能です。
食物アレルギーの方も、お気軽にご相談ください~。

アナフィラキシーについて


アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、即時型アレルギー反応で、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が複数臓器に全身性にアレルギー症状を起こし、時に生命に関わることがあります。
アレルギー反応として皮膚や粘膜(口唇の腫れなど)の症状だけでなく、呼吸症状(呼吸困難や喘鳴)や十運喚起症状(血圧低下や意識障害)があります。

原因:
主に、以下のものが原因になります。
●ある種の食物や、食物に含まれる添加物(卵、ピーナッツ、魚介類、牛乳、大豆、魚、貝類、木の実…)
●ハチやアリに刺されること
●薬(抗菌薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬…)
●ワクチン接種
●ラテックス製品(グローブ、医療製品、コンドーム)

注意すべき人:
●上に記載したものでアレルギー反応を起こしたことがある人(軽度のアレルギー反応の人も、留意する必要があります。)
●湿疹、喘息、hay fever(枯草熱)を起こしたことがある人
●複数の手術歴のある人は、ラテックスのアレルギーがある確率が高くなります。

症状:
●蕁麻疹や皮膚のかゆみ
●発汗、体の発赤、顔、口、眼、手がちくちくしたり熱くなる。
●血圧が下がると、ふらふらするなどの症状
●鼻、口、のどがはれてくる。
●呼吸が苦しくなる
●息が切れる、喘鳴(ぜいめい)、胸が苦しい
●嘔気、嘔吐、下痢
●不整脈
●けいれん
●血圧低下によるショック状態

診断:
症状から診断します。可能性のあるアレルゲン(アレルギーの原因物質)にさらされたことがあるかどうかを検討します。

治療:
アナフィラキシーでは救急医療行為が必要になります。
●エピネフリン(アドレナリン)注射
 血管を収縮させ血圧を上げる、呼吸を楽にする作用、炎症を抑える作用
●他の薬
 エピネフリン注射の後に行います。ステロイド、抗ヒスタミン、気管支拡張薬など。
●輸液
●酸素
●ショック状態ではCPR(心肺蘇生)が必要です。

予防:
アレルゲンがある人には、アナフィラキシーを起こす可能性がある物質を避けることが最も重要です。
●医療行為が必要なことがあることが分かるもの(medical alert jewelry)を身に付けておきましょう。
●医師がエピネフリン自己注射を処方することもあります。学校や友人にどのように使うかを知らせておきましょう。
●学校の保健室の先生や担任の先生に、どのようなアレルギーがあるか伝えておきましょう。
●ハチに刺されることでアレルギーが起きる人は、外出時に刺されにくい服を着るようにしましょう。
●クリニックや歯医者で注射を受ける場合は、注射の後30分は注意して様子を見ましょう。

ラベル

Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です