このブログを検索

ラベル 呼吸器 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 呼吸器 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

LUNGClear™肺がん早期発見のための検査(血液)

 LUNGClear™

肺がん早期発見のための検査(血液)がシンガポールで実施されています

参照; https://onco.mirxes.com/ja/lungclear


よくある質問

LUNGClear™とは何ですか?
LUNGClear™は、血漿から肺がんに関連する12種類のmiRNAバイオマーカーを定量的に検出するRT-qPCR法を用いて、肺がんを早期発見する検査です。

LUNGClear™は、肺がんの平均的なリスクを有する40歳以上の成人に適応されます。本測定法は、肺がんの早期発見のための補助的なツールとして、診断基準の中で利用可能な他の検査を補完することを目的としています。

LUNGClear™の結果は、数値によるリスクスコアとして示され、医師は他のすべての関連する臨床および検査所見と合わせて解釈する必要があります。高リスクスコアは肺がんの可能性を示し、鑑別診断のために画像検査や気管支鏡検査など、他の診断検査を行う必要があります。LUNGClear™ によるリスクスコアは、診断の唯一の根拠として使用されるべきではありません。 
LUNGClear™は、X線や低線量CTの代替検査になるのでしょうか?
LUNGClear™は、胸部画像や現在の臨床ガイドラインで推奨されている他の検査方法と併用することを意図した補助的な検査です。X線検査や低線量CTの代用として使用するものではありません。
LUNGClear™は、肺がんの診断に単独で使用できるのでしょうか?
LUNGClearは、単独での診断用検査として使用できません。肺がんの診断には、気管支鏡検査、縦隔鏡検査、X線検査やCTスキャンなどの画像検査、病理組織学的検査などの診断方法の組み合わせが必要とされます。
LUNGClear™の検査を受けるべき人は?
LUNGClear™は、肺がんの平均的なリスクを有する40歳以上の成人に適応されます。本検査は、肺がんを早期に発見するための補助的なツールとして、診断基準の中で利用可能な他の検査を補完することを目的としています。
LUNGClear™は、どの程度の精度で肺がんを検出できますか?
LUNGClear™は、日本人集団における肺がん検出の感度68%、特異度75%という臨床的検証結果が出ています。
なぜ肺がん検診が重要なのですか?
肺がんは、世界的にがんによる死亡原因の上位を占めています1。日本では、肺がんによる死亡者は毎年7万5千人、がん死亡者全体の20%を占め、がん死亡原因の上位を占めています2。検診の目的は、肺がんがあったとしても早期に発見し、できるだけ早く治療を開始、生存率を向上させることです。

1. Hyuna Sung, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. 2021 
2. Japanese Journal of Clinical Oncology 2014, 44: 36-41..
平均的なリスクの人々が、なぜ血液検査による肺がんの早期スクリーニングを受ける必要があるのでしょうか?
肺がん を早期に発見することは、肺がん患者の全生存期間を延ばすための最良の方法の一つです。しかし、5年生存率が80%以上であるステージ1で発見される肺がんは40%未満です1。これは、早期の肺がんは無症状デあることが多く、また、日本では肺がん患者の約60%が非喫煙者であることがわかっています2。肺がん検診ガイドラインでは、重喫煙者に対してスクリーニングを推奨しており、非喫煙者は、ガイドラインで推奨されているスクリーニングから除外されることがあります。

1. 国立がん研究センターがん対策情報センター「日本のがん統計-2019年版」(https://ganjoho.jp)
2. Pelosof, L., Ahn, C., Gao, A. et al. Proportion of Never-Smoker Non–Small Cell Lung Cancer Patients at Three Diverse Institutions. Journal of the National Cancer Institute. 2017;109(7):djw295.
LUNGClear™の仕組みは?
LUNGClear™は、肺がんに関連する複数のマイクロRNA(miRNA)バイオマーカーを検出する検査です。12種類のmiRNAの量が測定され、肺がんとの関連性を提供します。LUNGClear™の結果は数値のリスクスコアとして示され、他のすべての関連する臨床及び検査所見と合わせて医師により解釈される必要があります。高リスクスコアは肺がんの可能性を示し、鑑別診断のために画像診断や気管支鏡検査などの他の診断検査でフォローアップすることが必要です。
マイクロRNA、またはmiRNAとは何ですか?
マイクロRNA(miRNA)は、正常なヒトの細胞において発現制御など様々な機能を持つ生体分子の一つです。しかし、人体の正常な機能維持に重要であるため、体内のmiRNAの量に異常が生じると、がんなどの多くの病気につながる可能性があります。
LUNGClear™はどのようにmiRNAを使って肺がんリスクを判断しているのですか?
がん患者さんでは、健常者と比較して、miRNAの組成や量に変化が見られます。miRNAプロファイルの違いは、異なる癌種や同じ癌の異なるステージで観察されています。健康な人は健康なmiRNAのシグネチャーを持っていますが、肺がん患者は長年の研究によって明らかになった肺がんに関連するmiRNAのシグネチャーを持っています。この研究から、肺がんの正確な検出に使用できる12種類のmiRNAマーカーからなるLUNGClear™パネルを開発しました。日本人を含む大規模な臨床検証試験により、LUNGClear™は健康診断等の採血時に肺がんのリスクを正確に評価できることを実証しています。
これらのmiRNAは何に由来しますか?
検出されたmiRNAは、がん細胞やそれに影響を受けた他の細胞から患者の血液中に分泌されている可能性があります。これらの肺がん関連miRNAは、肺がんの形成過程に関与している可能性があります。例えば、炎症、増殖、浸潤、血管新生を制御する機能を有している等です。患者さんの血液中のこれらのmiRNAの量を測定することで、患者さんの体内に肺がんが存在する可能性を評価することができます。
LUNGClear™は、どのような技術でmiRNAを検出しているのですか?
LUNGClear™は、高度に制御されたワークフローを持つRT-qPCR(逆転写ー定量的PCR)技術により、miRNAを検出・定量しています。
LUNGClear™パネルに含まれる12種類のmiRNAは、肺がんの発生や進行に関与することが示されているのでしょうか?
これらの一部のmiRNAは、がん転移を促進し、腫瘍免疫環境を調節することが示されています。しかしながら、肺がんの発生と進行における役割を解明するためには、更に研究調査が必要です。

肺炎球菌ワクチンの接種スケジュール

 肺炎球菌ワクチンの接種スケジュール

2022年11月 シンガポールでPCV20ワクチンの使用が承認されました。

慢性疾患などリスクのある19-64歳の成人もPCV20ワクチンを接種を検討可能です。



*リスクのある慢性疾患とは(例):

- アルコール使用障害

- 慢性心疾患、肺疾患、肝疾患(心不全/心筋症、COPD/喘息を含む)

- 喫煙

- 糖尿病

- 鎌状赤血球症、その他のヘモグロビン血症


肺炎球菌ワクチンのスケジュールは下のウエブサイトの表を参考にしてください。

https://www.info-cdcwatch.jp/views/showbin.php?id=291&type=73&.jpg

小児の慢性咳嗽(Dr 勉強メモ)

 慢性咳嗽:3~4週間以上続く咳嗽

一般的な原因:

未治療の喘息

感染

アレルギー

環境暴露

気道異物

体性咳症候群またはチック性咳嗽

気管支肺異形成

外耳道刺激物

誤嚥

評価:

原因不明の慢性咳嗽のほとんどの小児では、胸部X線検査と年齢に応じたβ2アゴニストによるスパイロメトリー前後の検査を考慮する。しかし、臨床的に特異的な徴候のない小児では、ウイルス感染後の咳嗽や百日咳様疾患の特徴があれば、X線検査は必要ないかもしれない。

血液検査、培養、画像検査、アレルギー検査、肺機能検査、気管支鏡検査、胃食道逆流検査、その他の診断検査など、疑わしい診断に基づいてその他の検査を実施する。

経過観察、環境暴露の除去または低減、喘息治療の試行、抗生物質の試行、胃食道逆流治療の試行、行動学的アプローチ、小児呼吸器専門医への紹介などを検討。

鎮咳薬やほとんどの市販の咳止めは推奨されない。

咳が続く


「咳が続いて困ってます」という場合に、どういう病気が考えられるのでしょうか?
1.風邪を引いて、咳だけが残っているパターン
2.咳ぜんそく(ヒューヒューぜんそくの呼吸音がなくても、ぜんそくの治療が効きます)
3.鼻炎、副鼻腔炎などで、鼻水が後ろに垂れ込んでいる。
4.逆流性食道炎(胃酸の逆流の刺激で咳が起こる)
だいたい、こういったところが多いようです。


長く続く咳には、麦門冬湯(漢方薬)も有効なことが多いです。
麦門冬湯を少量の湯に溶かし、箸でかき混ぜて溶かします。
体が温まって、咳が自然に止まる感じです。


当院でも、ツムラの麦門冬湯を採用しております!


軽い咳や、お子様の咳には、当院のツタの葉シロップもおすすめします。



さて、今回は咳に関連した論文を調べてみました。
****


大人の続く咳(3-8w)の原因について行われた調査の結果
後鼻漏(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが関連)24%
喘息(咳喘息含む)18%
風邪を引いた後に咳だけが長引いている13%
http://chestjournal.chestpubs.org/content/129/5/1142.long
 GERD(逆流性食道炎)の人はいなかった。

子供(5-12yr)の長く続く咳の原因について行われた調査の結果
GERD27.5%、アレルギー22.5%、感染によるもの5%、誤嚥2.5%、複数の要因によるもの20%

痰が多く(30ml/day以上)慢性咳のある人 の原因について行われた調査の結果
(免疫機能が保たれている人)
後鼻漏(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが関連)40%
喘息(咳喘息含む)24%
気管支拡張症 4%
左心不全 3%
その他 3%
http://chestjournal.chestpubs.org/content/108/4/991.long
Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です