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トゥレット症候群(勉強メモ)

反復する運動性チックと発声性チックを特徴とする

典型的には小児期に発症し、青年期に重症度がピークに達し、成人期早期に改善する。


トゥレット症候群の診断基準:

運動性チックが2回以上、音声性チックが1回以上、12ヵ月以上持続。

18歳以前に発症

トゥレット症候群を他の運動障害と区別するのに役立つ特徴として、前駆的衝動の存在

チック発現によって緩和される内的緊張の感覚または感覚、およびチックを部分的または一時的に自発的に抑制することができる


典型例には臨床検査と神経画像は必要ない。


ADHD、OCD、衝動制御障害、うつ病などの関連する精神疾患を評価する。


トゥレット症候群が疑われる患者を専門クリニック(神経科または精神神経科)に紹介が望ましい。


患者、家族、学校、職場などに トゥレット症候群についての情報提供


チックによる機能障害がなく、容認できる場合、薬物治療を保留することを勧める。


行動療法は、習慣逆転訓練、暴露反応予防、認知行動療法などがある。


認知行動療法(CBIT)導入を考慮


薬物療法

クロニジンまたはグアンファシンを含むα2アドレナリン作動薬。


リスペリドンやアリピプラゾールなどの抗精神病薬。副作用(代謝性、ホルモン性、錐体外路性)を患者が十分理解し最小量を使用する。


ハロペリドールやピモジドなどの代表的な抗精神病薬(トゥレット症候群の治療薬としてFDAに承認されているが、一般的には他の薬物が無効であった場合にのみ考慮)


他に考慮される可能性のある薬物には以下のものがある:

フルフェナジン、ベンズアミド(米国以外)、テトラベナジン、トピラマート。

併存するADHDや強迫性障害に対する適切な治療を確実に行うこと。

チック症や併存する注意欠陥多動性障害の治療には、メチルフェニデート、α2アドレナリン作動薬、デシプラミンなどの選択肢を考慮。

チック症および併存する強迫性障害の治療には、非定型抗精神病薬を考慮。

重度の自傷性チックの治療には、脳深部刺激療法(DBS)を考慮。


アルコール離脱症状

アルコール離脱症状

尺度:Clinical Institute Withdrawal Assessment - Alcohol, revised (CIWA-Ar)

CIWA-Arスコア>8-10の場合は、ベンゾジアゼピンによる治療を考慮


第1段階 アルコールを止めて6~12時間後 軽度の離脱症状

震え、不眠、いらいら、軽い興奮、食欲不振、吐き気、嘔吐、緊張、不安、発汗、落ち着きのなさ。

第2段階 12~24時間後 幻覚(聴覚、視覚、触覚)

第3段階 24~48時間後 離脱発作 通強直間代発作

第4段階 通常3~7日後、14日後までの間 アルコール離脱せん妄(振戦せん妄)

幻覚(通常は視覚)、見当識障害、頻脈、高血圧、激越、発汗、微熱


考慮すべき検査:血中アルコール濃度、全血球数、電解質レベル、肝機能検査、凝固検査、尿・血清薬物スクリーニング、中枢神経系検査


チアミンを投与、アルコール離脱患者にはマルチビタミンの投与を考慮

マグネシウムは、低マグネシウム血症、低カリウム血症などの電解質異常、心不整脈、離脱発作の既往歴が証明されている患者には投与


ベンゾジアゼピン系薬剤との併用を考慮すべき薬物:

自律神経亢進と不安:α2-アドレナリン作動薬の併用

高血圧または頻脈:β遮断薬の併用

離脱せん妄や幻覚:抗精神病薬の併用を考慮する。


その他参考:アルコール離脱症候群の早期診断とマネージメント

筑波大学附属病院 総合診療グループ

筑波メディカルセンター病院 総合診療科 作成https://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-tsukuba-150702.pdf


CBT-I 不眠症に対する認知行動療法 Cognitive Behavior Therapy for Insomnia

 CBT-Iには5つの重要な要素があります。

認知療法

この構成要素では、就寝時の有益でない考えや信念(例:心を無理に静めようとする、仕事のことを心配する)を、睡眠にまつわる感情的苦痛を軽減するのに役立つより有益なものへとリフレーミングします。

睡眠衛生

睡眠衛生戦略には以下のようなものがあるが、これらに限定されるものではない: 暗く静かな寝室環境と快適な温度、就寝の4時間前までに重い食事や運動、カフェインの摂取を避けること、昼間の昼寝は可能な限り避けること、約1時間の規則的な就寝前の習慣を確立すること。

リラックス法

深呼吸、漸進的筋弛緩法、誘導イメージ法などがある。セラピストは、あなたのニーズに最も適したテクニックを実演し、説明することができます。

睡眠制限

睡眠の質を最大限に高めるために、睡眠時間と起床時間を調整します。初期段階では非生産的な睡眠時間を減らし、その後、睡眠プロファイルに基づき、全体的な睡眠時間を長くしていきます。

刺激制御ガイドライン

このガイドラインでは、就寝時間やベッドを、欲求不満の引き金となる睡眠障害と関連付けるのではなく、休息のための時間であり場所であると再認識させます。

トゥレット症候群 や チック の手軽な治療となる可能性のあるディバイス

 

トゥレット症候群 や チック の手軽な治療となる可能性のあるディバイスで

実用化が期待されます。

https://www.neupulse.co.uk/solutions/

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運動に関連した脳振動の抑制

トゥレット症候群におけるチックの抑制

ノッティンガム大学心理学部の報告

https://www.neupulse.co.uk/wp-content/uploads/2023/08/mmc5.pdf

トゥレット症候群(TS)は、発声および運動チックの発生を特徴とする精神神経疾患である。

トゥレット症候群TSは以下の脳神経学的原因が考えられている

運動の選択に関与する 線条体内のGABAシグナル伝達の作動障害

チックの発生に寄与すると考えられる皮質感覚運動領域の興奮性亢進

非侵襲的脳刺激を皮質運動野に与えることで、皮質の運動興奮性を調節し、脳振動を同調させ、TSのチックを軽減することができる。

われわれは、正中神経刺激(MNS)のリズミカルなパルスが、運動抑制に関連する脳振動を同調させ、チックを軽減できるかどうかを検討した。

その結果 リズミカルなMNSのパルス列を12Hzで投与すると、感覚運動ミューバンド振動を同調させることが示された。

アカシジア治療(勉強メモ)

※ 正確な情報については、医療専門家や主治医にご相談ください。

アカシジア治療(WFSBP2012年統合失調症のガイドライン)

◆初期治療

可能であれば抗精神病薬を減量。あるいは 別の抗精神病薬に切り替える。クエチアピンやオランザピンは比較的アカシジアの発現が少ない。

プロプラノロール30~90mg/日などのβ受容体遮断薬を経口処方する(WFSBPカテゴリーC、グレード4)。血圧・脈拍モニター

短期使用で クロナゼパム ジアゼパム などのベンゾジアゼピン(WFSBPカテゴリーB、グレード3)。

◆初期治療に抵抗性の場合、

錐体外路症状を伴う場合抗コリン薬(ビペリデン,トリヘキシフェニジル)(WFSBPカテゴリーC、グレード4)

抗ヒスタミン薬(WFSBPカテゴリーC、グレード4)

ピリドキシン(ビタミンB6)(WFSBPカテゴリーC、グレード4)

トラゾドン(WFSBPカテゴリーC、グレード4)

その他参考資料:

https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j09.pdf


クロナゼパム(勉強メモ)

クロナゼパム

日本の製品名,薬剤名等:リボトリール、ランドセン
ベンゾジアゼピン系 抗てんかん薬に分類

抗不安作用は「強」、催眠作用は「強」、筋弛緩作用は「中」、抗けいれん作用は「強」


てんかんやパニック発作、体の不随意運動、ミオクロニー発作、レストレスレッグ症候群、不安神経症やパニック障害などにも用いられる。


シンガポールには 製品名Clonotril-0.5/Clonotril-2 2つの規格あり

通常 成人初回量クロナゼパムとして、1日0.5~1mgを 1~3回に分けて経口投与する。眠気に注意(日中は0.25㎎から開始した方が安全か?)通常、維持量はクロナゼパムとして 1日2~6mgを1~3回に分割

参考資料:https://banno-clinic.biz/clonazepam/


Clinical Global Impressions(CGI)尺度 (勉強メモ)

 Clinical Global Impressions(CGI)尺度

カルテ等に患者の経過と治療反応を記載するときに便利


CGI Severity:  重症度 臨床医の経験に基づく患者の精神状態の評価を数値化

(総スコア範囲は1~7)。

正常、まったく病んでいない = 1

境界域の精神疾患 = 2

軽症 = 3

中等度の重症 = 4

かなり重症 = 5

重症=6

最も重症の患者 = 7


CGI Improvement: 改善度 治療開始1週間前からの患者の状態の変化について、臨床医の経験に基づく評価を数値化(合計スコアの範囲は1~7)。

非常に改善した = 1

改善した = 2

少々改善した = 3

変化なし = 4

少々悪化した = 5

悪化した = 6

非常に悪化した = 7


セロトニン症候群(勉強メモ)

セロトニン症候群を起こす可能性のある薬剤の例:

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ダポキセチン

三環系抗うつ薬(TCA)クロミプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) ベンラファキシン、デュロキセチン

その他の抗うつ薬 ミルタザピン

モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)モクロベミド、フェネルジン、トラニルシプロミン

鎮痛剤 ペチジン、フェンタニル、トラマドール

ハーブ製品 セント・ジョーンズ・ワート

その他 メチレンブルー(診断用染料)、リネゾリド(抗生物質)、デキストロメトルファン(咳止め薬)


病態:セロトニン過剰状態

症状:精神状態の変化、自律神経亢進、神経筋異常(ミオクローヌス)

治療:薬剤中止、第一世代抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン(diazepam)、補液、熱には冷却


治療で使用する薬剤(注射):

diazepam 一般に成人には、初回10mgを筋肉内または静脈内に、できるだけ緩徐に注射する。

chlorpromazine

コントミン D2受容体拮抗薬、他の受容体の拮抗作用も強い。抗コリン作用(M1)、鎮静作用(H1)(D2>>>M1≒H1≒α1>5-HT2)筋注・静注。低血圧を予防するために輸液を実施。クロルプロマジン塩酸塩として、通常成人1回10〜50mgを筋肉内に緩徐に注射する。


Chlorpheniramine 抗ヒスタミン剤 通常、成人1 回5〜10mgを1日1〜2回、皮下、筋肉内または静脈内注射。


シンガポールのスタートアップNeurowyzrが開発した digital brain screening tool

 https://neurowyzr.com/

Neurowyzrは、AIと新興技術を活用し、ブレインヘルスとメンタルヘルスの分野のディープテック・スタートアップで digital brain screening toolデジタル脳機能検査を提供しています。現在英語版のみのようなので、日本語版ができることを期待します。

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デジタル脳機能検査(DBFS)とは何ですか?

デジタル脳機能検査は、脳の早期機能低下を検査する医療グレードの評価です。

このアセスメントは、一連のミニ神経科学ゲームから構成されています。

ご自宅やクリニックで、ウェブブラウザを使って15~20分程度で完了します。

テスト後、臨床医がカウンセリングで結果を確認します。

DBFSは、Health Sciences Authority Singapore (HSA) Class A Medical Device Databaseに登録されているデジタル医療機器であり、

米国食品医薬品局 (FDA) のClass II Productとして承認されています。



シンガポールで処方される睡眠薬

※最新情報は医師にご確認ください

■シンガポールで睡眠薬は非ベンゾジアゼピン系催眠薬のz-drugsとよばれる、ゾピクロン、ゾルピデムが主に処方されています。ベンゾジアゼピン系睡眠薬・非ベンゾジアゼピン系催眠薬はGP(一般医)の処方は、依存性と耐性のため、頓服で最小量で利用するように保健省から指導されており、通常処方量が制限されています。

DAYVIGO(選択的デュアルオレキシン受容体拮抗薬)シンガポールで認可を受けました。

■シンガポールでは、日本で利用可能な睡眠薬で、エスゾピクロン(非ベンゾジアゼピン系催眠薬)、ラメルテオン(メラトニン受容体作動薬)は認可されておらず、使用できません。

■メラトニンはシンガポールでは健康科学局の規制を受けない健康補助食品で、高齢者の睡眠の質の低下を特徴とする原発性不眠症の治療効果のある市販品として販売されています。また、メラトニン徐放薬 サーカディン2mg徐放錠は 1 錠中にメラトニン 2mg を含有している薬があり55 歳以上で処方可能です。

■その他、ドキセピンやトラゾドンが高齢者にとって依存性や耐性がない効果的な睡眠導入剤と考えられています。ドキセピンは三環系抗うつ剤で睡眠薬としては10㎎以下の低用量で使用します。トラゾドンはセロトニン5-HT2A、ヒスタミンH1、ノルアドレナリンα1受容体阻害作用がある古い抗うつ薬ですが、25㎎から効果が報告されています。


【オンラインセミナー】自閉症スペクトラムってなに? 知っておきたい症状と治療(日本時間:6月14日(水)8:00~9:00 am)

 

自閉症スペクトラムってなに?知っておきたい症状と治療
 
発達障害のひとつとして自閉症スペクトラム症があります。重度の自閉症スペクトラムは診断に迷いが少なく治療も早期から開始されることが多いのですが比較的軽度の自閉症に関してはがどのような形で症状があらわれ、どのように生活に影響を及ぼすのか、あまり知られていないようです。このウェビナーでは具体的な例を使って比較的軽度の自閉症スペクトラムがどのように学校や家庭で顕在化してくるのか、どのように対応したら良いのか?などを中心にお話しします。
 
■ 開催日時
6月13日(火)7:00~8:00 pm(ET)(日本時間:6月14日(水)8:00~9:00 am)
 
■ 講師
斎藤 恵真 医師 Dr. Ema Saito
(Director, Inpatient Services, Department of Psychiatry, The Zucker Hillside Hospital, Professor of Psychiatry, Donald & Barbara Zucker School of Medicine at Hofstra/Northwell)
 
■ ゲストパネリスト(Q&A)
加納 真紀 医師 Dr. Maki Kano
(マウント サイナイ 東京海上記念診療所、米国日本人医師会 (JMSA) 会長 Mount Sinai Doctor- Japanese Medical Practice, Chairperson of JMSA )
 
■ 参加費
無料(要登録)任意でNYのフロントラインワーカーたちへのお弁当プロジェクトへのご寄付をお願いします。

 Registration Link:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_WKtj-K3NQWKoDD5FGGQWXQ

シンガポールで不眠の薬で用いられる抗ヒスタミン薬:Hydroxyzine ・Promethazine

Hydroxyzine ・Promethazine第一世代抗ヒスタミン薬

シンガポールでは不眠の短期治療(あるいは 皮膚のかゆみ)で用いられることあり。


ヒドロキシジンは、抗不安作用あり。商品名アタラックス 25mg錠

プロメタジンは、乗り物酔い、吐き気止めに使用することあり。PL顆粒に含まれている。2歳以上 シロップ


Trazodoneの不眠への使用(勉強メモ)

※免責事項

このページで提供される情報は、医療従事者からの情報に代わるものではありません。より詳細な情報については、医療専門家にご相談ください。


TRITTICO 50mg tablet


臨床研究では、トラゾドンは、大うつ病性障害の治療において、三環系抗うつ薬(TCA)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニンノルエピネフリン受容体阻害薬(SNRI)などの他の薬物クラスと同等の有効性があることが示されています。また、トラゾドンは、不眠症、不安症、性機能障害との関連が高い第二世代SSRIよりも忍容性が優れています。 SERT、5-HT2A、5-HT2C受容体を同時に阻害するトラゾドンのユニークな特性により、SSRIおよびSNRI療法で一般的に見られる性機能障害、不眠症、不安症の問題を回避できます。

トラゾドンは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、ヒスタミンなどの覚醒効果に関連する神経伝達物質を減少させます。低用量のトラゾドンを使用すると、5-HT-2A 受容体、H1 受容体、およびアルファ 1 アドレナリン受容体の拮抗作用により、睡眠に鎮静効果を発揮します。さらに、ヒトのアストロサイトに関する最近の研究では、トラゾドンが炎症メディエーターの放出を減少させ、大うつ病に関連するニューロンの炎症中の栄養および代謝サポートを正常化するのに役立つことが示されました。


1.不眠症に適応する場合

就寝1時間前に50~100mgを経口投与


2.大うつ病性障害で用いられる(150-300㎎)

(初回:1日150mgを軽い食事又は間食後に分割経口投与;漸増:徐々に増量し、3~4日毎に50mg/日増量できる;維持:治療効果が得られたら最小有効量まで徐々に減量;最大量:外来患者400mg/日、入院患者600mg/日)


3.Behavioural Disorders



メラトニン徐放薬 サーカディン2mg徐放錠

シンガポールで新しく承認された不眠症治療薬です。当院では採用しておらず処方箋発行します。 メラトニンは、松果体から分泌される天然ホルモンです。日没後すぐに増加し、午前2-4時にピークに達し、夜間の後半には分泌は減少します。メラトニンは、サーカディアンリズムの制御と明暗周期への同調に関連している。また、催眠効果や睡眠傾向の増加にも関連している。


メラトニンは、睡眠およびサーカディアンリズムの調節に関与し、加齢に伴い内因性メラトニン産生が減少することから、特に55歳以上の原発性不眠症患者において、睡眠の質を効果的に改善することが期待されます。


原発性不眠症患者を対象に、サーカディン2mgを毎晩3週間投与した臨床試験において、プラセボと比較して、睡眠潜時(客観的・主観的測定)、睡眠の質および日中機能(回復性睡眠)において効果が見られ、日中の覚醒度は保たれていました。


メラトニン徐放薬 サーカディン2mg徐放錠は 1 錠中にメラトニン 2mg を含有しています。

55 歳以上の高齢者における睡眠の質の低下を特徴とする原発性不眠症の治療薬です。

就寝1~2時間前、食後に内服します。最長で13週間まで継続可能です。

徐放性を維持するため、錠剤はそのまま内服してください。


不眠症治療におけるドキセピンの使用

※シンガポールに流通していない可能性あり、ご注意ください。

ドキセピンは、三環系抗うつ薬と呼ばれる薬です。日本では認可されていません。一般的には、うつ病に対する治療で75 - 300 mg で用いられます。日中の鎮静・眠気,口渇,ドライ アイ等の抗コリン作用に基づく副作用が報告されています。また、ドキセピンは小用量で高齢者の不眠症の治療薬に適しているという報告があるようです。

論文によると、ドキセピン3mgと6mgは、入眠後の覚醒を有意に減少させ、総睡眠時間を増加させます。ドキセピンの2つの用量の間には有意な差はありません。持続的睡眠までの時間は、どの用量のドキセピンでもプラセボと比較して有意な差は認められません。最も頻繁に報告された有害事象は、傾眠と頭痛でした。有害事象は用量に関連しておらず、副作用の発生率はプラセボと同程度であると報告されています。(論文参照


「3行日記」

 ■「3行日記」

人に親切にしたり、毎日の生活の中で感謝したり、目新しいことをすることで、人の幸福度が上がったという報告があります。

下の(例)の内容で、毎日「3行日記」を記録してみましょう。

毎日が難しければ、気付いたときで構いません。

日付を記載してください。

私の外来に受診している方に心理療法を兼ねて実施しています。

(例)

今日を振り返ってよかったこと

今日新しく行ったこと、工夫したこと、アイディア

明日したいこと

気分変調症・持続性抑うつ障害(対策編)

 ■軽度PDDの患者の場合

うつ病症状が2年以上で症状が続く場合は抗うつ薬を検討する。

身体活動プログラムを検討する

通常、週3回の45分~1時間のセッションを10~14週間。

プログラムは、適切なインストラクターのサポートを受けながら、グループベースのものが望ましい。


■重症度の高いPDDあるいはMDD の要素を持つ患者に対しては、

初期治療として薬物療法と精神療法を併用する。


■抗うつ薬の選択としては、SSRI、SNRI、TCA等、(sertraline, imipramine, escitapram etc...)


■心理療法

CBT、behavioral activation therapy、problem-solving therapy (PST)、 interpersonal therapy (IPT) などの効果が報告されている。


■ワークシートで実践しよう 参考ウエブサイト

毎日の生活スケジュールや日課を決め、実践する。

楽しめる趣味を見つける。運動する。ソーシャルタイムを持つ。


https://www.therapistaid.com/therapy-worksheet/schedule-behavioral-activation

Weekly Schedule for Behavioral Activation

https://www.therapistaid.com/therapy-worksheet/behavioral-activation

behavioral activation


https://www.psychologytools.com/resource/activity-diary-hourly-time-intervals/

Activity diaries


https://www.metropediatrics.com/wp-content/uploads/sites/8/2018/02/Cover-Your-BASEs.pdf

BEHAVIORAL ACTIVATION: Be sure to cover your BASEs!


気分変調症・持続性抑うつ障害(診断基準メモ)

気分変調症はDSM-5では持続性うつ病性障害に名称が変更された。

■persistent depressive disorder(PDD)(DSM-5)の診断基準 

1日の大半の日が憂鬱*な気分になる

(成人では2年以上、青年期および児童では1年以上)

(*イライラとして現れることもある)、


 かつ、


ー 過去2年間に無症状であったことがない


ー 下のうち少なくとも2つを含む(覚え方 HE'S 2 SAD)

  絶望感 feelings of hopelessness (H)

  倦怠感 fatigue or low energy (E)

  自尊心の低さ low self-esteem (S)

  不眠あるいは過眠症 hypersomnia or insomnia (S)

  過食あるいは食欲不振 overeating or poor appetite (A)

  集中力がない、優柔不断 poor concentration, indecisive (D)


■Dysthymia(ICD-10)の診断基準

うつ病の典型的な症状が数年間存在するが、重度ではなく症状が持続している。


■プライマリケアでの注意事項

9項目のPatient Health Questionnaire(PHQ-9)が有効

自殺の危険性を慎重かつ継続的に評価することが必要であり、

患者に直接、希死念慮について質問する。


Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です