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学校に馴染めない・行きたくない、あるいはコロナ禍での子どもの心の不調のアドバイス

シンガポールは多様性豊かな社会生活を送ることができ、教育も先進的で日本人学校・インターナショナル校など学校の選択肢も多い国です。しかし、今までの住まいや学校から離れ、海外に引越し新しい学校に通うことになれば、「友達がいない」「馴染めない」「英語が分からない」という問題が当然起こります。まずは子どもの気持ちに十分寄り添った支援を行います。家庭では居心地よく過ごし、放課後や週末は気分転換を心がけましょう。宿題はなるべく一緒に行い、疑問点を一緒に解決しましょう。家庭教師や塾などの学習支援をおこなう場合は、追加の授業や宿題が子どもの負担に大きくなりすぎないように注意しましょう。

 

特にコロナ禍では遊びや催しの中止、突然の学校のオンライン授業への移行などストレスが追加されます。このような状況下で、子どものレジリエンス(ストレスから立ち直る力)を高めるような子育てがますます重要になっていると感じます。具体的には、自己認識、自己管理、社会・他者認識、人間関係のスキル、責任ある意思決定 このような力を子どもが育むことが重要です。

学校の長期休暇の間、一時帰国もできず外出も制限された状況であれば、毎日退屈に感じることがあるかもしれません。このような場合、まずは毎日の予定を立てることが役立ちます。生活リズム(着替える、顔を洗う、食事は食卓で家族で一緒に取る、起床就寝時間を決める)・家族での約束事(散歩・買い物に出かける予定などを話し合う)を決めるとよいでしょう。月ー金は勉強や仕事に専念し、週末はレストランで料理の配達を頼むなど、メリハリをつけ、先の決まった予定があればカレンダーに書き込むのもよいでしょう。

社会的つながりを保つことも大事です。ネットでのチャットやビデオでのおしゃべり、電話、SNSなどで、母国の家族や会えない友人と連絡を取り、短時間でもおしゃべりができる時間を持つようにしましょう。

家族間の人間関係を良好に保つように心がけましょう。親子であっても相手に対する心配りを忘れて人間関係が悪化すると、コロナのみならず家の人間関係が別のストレス源になります。また、一人になりたいときに一人で過ごせる時間と場所を確保しましょう。特に母親は24時間の家事と育児でで自分自身の時間を持つことが難し状況にあることが多く、何よりも自分自身のケアをお勧めしたいと思います。

ストレスにより体調不良や気分の変化を感じることもあります。具体的には、睡眠や食欲、体調の変化、精神的には気分の落ち込みや不安感などです。症状が心配な場合は早めにクリニックに相談に来てください。

参考:CASELウエブサイト https://casel.org/


Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です