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アジアへ旅行・赴任の場合、渡航前の予防接種スケジュール

日本脳炎の年齢別抗体保有率。25歳を過ぎると抗体値が減少しているため、
東南アジア旅行の際には予防接種の追加をおすすめします。
http://idsc.nih.go.jp/yosoku/JE/Serum-JE2010.html




こちらのCDCのサイトで、渡航先別おすすめワクチン一覧が分かります。


●A型肝炎ワクチンを優先的に接種します。

●破傷風ワクチン
1968年(日本で破傷風が定期接種になった年)以前に生まれた人は幼児期に破傷風トキソイドの接種を受けていない方が多いようです。3回接種をお勧めします(0-1-6ヶ月後)。1968年以降に生まれ、母子手帳などで接種歴があり基礎免疫があると判断した場合には、1回の追加接種を行います。追加接種で破傷風に対して10年間の予防が可能です。破傷風の予防接種は、破傷風単体のワクチンの代わりにTdap(大人用3種混合ワクチンで破傷風だけでなく百日咳とジフテリアが含まれています)を使用する場合もあります。
ワクチンの中には数回(23回)接種する必要のあるものもあります。海外への赴任、旅行の予定があれば、できるだけ早い時期に予防接種スケジュールを立てましょう。


●B型肝炎

2016年10月より日本で定期接種化されました。未接種の場合は接種をお勧めします。 主に血液(輸血、針刺しなど)、体液、性感染、家族間など濃厚な接触によって感染です。東南アジア、南アジアのB型肝炎ウイルス保持者は8%以上と考えられています。WHOは定期接種として推奨しており、先進国の90%以上が定期接種として採用しています。
(混合ワクチン有:A型肝炎ワクチンも一緒に接種できます。)



その他、渡航先によって、相談しましょう。
(腸チフスワクチン、日本脳炎ワクチン、狂犬病ワクチンなど)

*腸チフス 南アジアの地方、住人宅に滞在するなどあれば、接種を推奨します。 水や食べ物で感染します。(2歳以上、筋注、1回打ちで3年間有効)

*日本脳炎 日本の定期接種です。大人の方で日本脳炎の予防接種を受けていない場合は接種を推奨します。日本脳炎ウイルスを持った蚊に刺されることで脳炎を発症します。

*狂犬病 アジア地域の途上国への赴任や、学校での野外キャンプ、犬の多い地域への国外出張が多い場合は接種を推奨します。動物に咬まれることで感染します。(3回打ち。2回目は7日後、3回目は21日あるいは28日後)

ワクチン接種の計画は余裕をもって早めに!
ワクチンの同時接種についてもご相談に応じます。

Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です