ランニングや自転車トレーニングをする人によくある膝外側の痛みです。腸骨バンドの遠位部分の炎症によって引き起こされます。
腸骨バンドは、股関節を横断し、膝蓋骨、脛骨、および大腿二頭筋の腱に合流する遠位に伸びる筋膜の厚いバンド状の靭帯です。
トレーニング等で膝の屈曲と伸展を繰り返すと、膝の外側上方の靭帯が炎症を起こして炎症を起こし、びまん性の外側膝の痛みが生じることがあります。
診察では、患者の膝関節線の約2
cm上外側に圧痛を認めることがよくあります。患者が立位で膝を30度曲げると、圧痛はしばしば悪化します。この角度でITバンドが大腿顆の上をスライドし、ストレスが最大になるためです。
治療は、安静、トレーニングの修正です。痛みや腫れがひどいく保存療法で完治が難しい場合は、整形外科でコルチコステロイド注射が実施されることもあります。
理学療法では、腸骨バンドのストレッチ、中殿筋の強化を行います。膝伸筋、膝屈筋、股関節外転筋の筋力低下。股関節外転筋の衰弱が腸腰筋帯症候群の発症に寄与しているようです。股関節外転筋を強化の治療効果が報告されています。