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手足口病アップデート(2018)

2018年の手足口病の発生数は例年に比べやや多く、マレーシアなどの近隣諸国では2人の幼児が死亡し、多く手足口病の件数が報告されました。エンテロウイルス71型(EV71)やコクサッキーウイルスA型ウイルス感染が原因になります。EV71は感染力が強く、重症化し、脳炎、心膜炎、肺炎などの合併症を起こすことがあります。シンガポールでは主にコクサッキーウイルスA型のケースが多いようですが、2000年、2008年とシンガポールにも手足口病による死亡ケースの報告があり、これらはEV71が原因だったようです。

シンガポールでは唾液による安価な手足口病の迅速診断検査やEV71の予防接種が数年以内に利用可能になるとのことです。


手足口病の流行状況について保育園や幼稚園からお知らせがあった場合は、登園前に自分の子供に手足口病の症状がみられないか、手足と口の中を観察しましょう。疑わしい発疹が見られたらクリニックに受診してください。高熱が続き嘔吐がある、ぐったりしている場合は特に注意が必要です。

シンガポール政府は感染者の統計を毎週発表しており、流行が続く園は10日間程度閉鎖を指示することがあります。発疹のある間は、口の中の所見がなくなり手足の水泡が乾ききるまで登園はできません。子供の遊具などを介してウイルス感染が広がることがあるので、子供が集まる場所には行かないようにしましょう。
Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です