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虫除け成分について


虫除け効果の確実な成分は、ディート、ピカリジン、(レモン)ユーカリ油です。

成分の濃度が高いほど効果が長く持続するため、長時間野外活動を行う場合は高濃度の虫除け剤を選びます。日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めを最初に塗りその上に虫よけ剤を塗ります。乳幼児には使用方法が制限されている場合も多いため、成分や説明書きをよく確認し、乳母車にネットを被せる、黒っぽい衣服は避ける、衣服で体を覆うなどの対策も取りましょう。

ディート(DEET, N,N-diethyl-m-toluamide)
最も虫除け効果が示されており、安全性の高い有効成分です。日本の厚労省は、乳児は生後6ヶ月までディートの使用を控えるべきとの指針を示していますが、2ヶ月を超えれば、低濃度(DEET 7−20%)の使用は安全であるという見解もあります(米国小児学会など)。2歳未満ではディートは1日1回のみの使用が安全です。妊娠中の使用も安全性が示されています。日本で購入可能なディートの虫除けの濃度は12%以下が多いですが、シンガポールではより濃度の高い虫除けも流通しています。20%の濃度の ディートの蚊に対する忌避効果は 4 時間 、6%では 2 時間持続します。

ピカリジン(Picaridin, KBR 3023)
2005年以降に新しく流通している虫除け成分で、匂いがないのが特長です。同濃度のディートと同じ程度の効果があります。日本国内では発売されていませんが、シンガポールでは忌避剤として広く使用されています。子供への使用に関する留意点は同濃度のディート製品と同じと考えておきましょう。

植物由来の原料
レモンユーカリ油lemon eucalyptus oil, p-menthane 3,8-diol (PMD)シトロネラCitronella oilなどがありますアメリカ合衆国疾病管理予防センターCDCはユーカリ油の虫除け効果を認めていますが3歳未満の小児の使用はデータが少ないとして勧めていません通常の製品では効果は弱く皮膚に塗布する虫除けの場合効果は1−2時間程度と考えておきましょう 独自の基準や調査で子供にも安全であると、虫除けパッチや手首に身につけるリング状虫除けゴムとして、虫除け製品が多く流通しています。
Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です