伝染性紅斑

伝染性紅斑


「鼻水のあとほっぺたが赤くなりました。りんご病でしょうか?」と小さなお子さんがお母さんと一緒に受診しました。

「りんご病」に特徴的な皮膚症状です。
http://kidshealth.org/parent/infections/bacterial_viral/fifth.html#
 




りんご病は、伝染性紅斑、Fifth diseaseともいいます。5-15歳くらいの子供に多い感染症で、パルボウイルスB19という種類のウイルスが原因です。鼻水などの症状が治ってきた頃、頬がたたかれたように赤くなります。また、発疹が体、腕、下肢にも広がります。(犬などもパルボウイルス感染症があるようですが、これとは種類が異なります。)

世界各国の報告では、およそ40-60%の大人が抗体を持っています。いつの間にか罹患した、ほとんど症状がなかった人も多いようです。四季のある国では、春先に多いようですが、1年を通じて地域に流行する可能性があります。

熱、頭痛、鼻炎など、ほかの風邪と同じような症状の後、頬に特徴的な赤み、体に薄いピンクの発疹がみられます。手のひら、足の裏も赤くなることがあります。体の発疹は色がひくとレースのように後が残ってみえることもあります。皮膚の特徴的な症状は10歳までの子供によくみられます。10歳以上人では、皮膚のかゆみを伴う場合もありますが、ほとんどの場合はかゆみはありません。日光が当たる部分は赤みが残りやすくなり、1-3週間皮膚症状が続く場合もあります。
まれな症状として、耳下腺、顎下腺が腫れたり、目が赤くなったり、のどの痛みがあることもあります。10歳以上では、関節痛や頭痛が起こることもあります。

パルボウイルスB19に感染した場合、人に感染させる可能性があるのは、鼻炎、咳症状がある間です。皮膚症状は免疫反応が関係しておこるようで、皮膚症状があらわれる頃には他の風邪症状は改善しており、人に感染させる心配はほとんどありません。

一度罹患すると、通常は生涯を通じて感染することはありません。パルボウイルスB19に対するワクチンはありません。治療の方法は、他のウイルスの風邪同様、対症療法になります。

パルボウイルスB19に対して注意すべき人は、妊婦、貧血などの病気のある人です。妊娠初期にこのウイルスに感染すると、貧血が起こって胎児に影響を与えたり、流産につながることがあります。妊娠中のお母さんの半数程度は免疫を持っており、免疫のある人は罹患する心配はありません。
まれに貧血の原因になることもあり、免疫が低下している人(エイズや白血病など)や血液疾患を持っている人に重症貧血をおこすこともあります。