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ニパウイルス~アジアの人獣共通感染症

1998 年後半から 1999 年初頭にかけて、マレーシアで飼育された豚に脳炎症候群を引き起こす新しいパラミクソウイルス感染症の感染拡大がありました。その後、感染はシンガポールの食肉処理場の労働者に広がり、報告された 265 例の脳炎のうち 105 例が死亡し、死亡率は 40% 近くに達しました。

その後、シンガポールやマレーシアでは新しい症例は報告されていないようです。バングラデシュやインドを中心とするアジアの一部地域では、ほぼ毎年発生が確認されています。

この原因ウイルス ニパウイルスは人獣共通感染症であり、自然界では、オオコウモリと呼ばれるフルーツコウモリが保菌者となっています。豚や人に病気を引き起こすことも知られています。

ウイルスが存在する地域では、豚やコウモリとの接触を避け、感染したコウモリによって汚染された可能性のあるナツメヤシ(デーツ)ジュースを生で飲まないようにしましょう。


Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です