このブログを検索

中性脂肪高値の対応(シンガポール版)

【Dynamed情報】

■軽度~中等度の高トリグリセリド血症(200~1,000mg/dL)の場合、

炭水化物の少ない食事、減量、運動、禁煙指導など生活習慣の改善を行う(強く推奨)。

生活習慣の改善に加えて、必要に応じて患者にフィブラート、オメガ3脂肪酸、またはナイアシンの追加を検討する(弱い推奨)。


■高トリグリセリド血症(1,000mg/dL以上)の場合、

合併症で起こり得る膵炎を発症するリスクを低下させるため、第一選択薬としてフィブラートを使用する(強い推奨)。

持続性高トリグリセリド血症に対しては、ナイアシンまたはオメガ3脂肪酸の追加を検討する。

LDL Chol高値の場合は、スタチンの追加を検討する。



【シンガポール脂質治療ガイドライン2016】

■高コレステロール血症(LDL Chol高値)、混合型高脂血症(LDL Chol、中性脂肪高値)の場合、スタチンが第一選択薬。

ただし、TG>4.5mmol/L(400mg/dL)の場合、急性膵炎のリスクが高くなるため、フィブラートが膵炎のリスクを減らす目的で第一選択薬になる。

■TG>4.5mmol/L(400mg/dL)の場合。ナイアシンとオメガ3の摂取も検討する。

フィブラートでLDLコレステロール高値が続く場合は治療にスタチン追加を検討する。

■シンバスタチンを使用する場合、最高用量は40mg。(ケースにより80mg)

スタチンを使用する場合は、クレアチニンキナーゼ、ALTとASTをモニターする。

■エゼチミブは、スタチンの追加薬あるいは副作用がある場合のスタチンの代替薬として使用することがある。

■ナイアシンはスタチン単独でLDL Cholがターゲットに到達しない、TGが400mg/dLの時などに考慮する。

■オメガ3は重度の高トリグリセリド血症(例:TG>900mg/dL)の場合、1-4 gmのEPAとDHA=オメガ3油1日3~12gmの量で摂取を考慮します。

■スタチンとフィブラートを併用する必要がある場合は、fenofibrateを選択する。


Lipides- MOH Clinical Practice Guidelines 2/2016

https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider4/guidelines/moh-lipids-cpg---booklet.pdf

Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です