ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌です。
H.ピロリ菌は、感染者の唾液や汚染された水などから感染します。
持続的に感染状態が続くと、胃粘膜の炎症が広がり、慢性胃炎となります。
また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、一部は胃がんに進展します。
H.ピロリ菌検査は、尿素呼気検査、便抗原検査、抗体検査(血液)
あるいは上部内視鏡検査の組織検査のいずれかで診断が可能です。
H.ピロリ菌が陽性だと分かった場合、
3~4種類の抗菌薬を1-2週間内服するとH.ピロリの除菌が可能で、
胃の痛みなどの症状や胃粘膜の炎症が改善します。
日本人に多くみられる東アジア型のH.ピロリ菌は特に病原性が強く、
胃がん発生の原因になります。
日本人はH.ピロリ菌の感染率は高齢ほど高く、
50代以上の人では60~70%、10~20代では10%前後と報告されています。
肉親に胃がんの既往がある、上腹部痛などの症状がある、
あるいは、今までH.ピロリ菌や上部内視鏡検査をしたことのない人は
健康診断などの機会にH.ピロリ菌の検査をお勧めします。