経口補水療法とは、点滴の代わりに経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)を口から飲ませて水分補給する治療法です。
ORSは、 塩分と糖分が適切な割合に調製されていて、おう吐や下痢によって 失われた水分と塩分が速やかに吸収されます。
軽症〜中等症の脱水がある場合の、 ORSを飲ませ方
すでにおう吐や下痢で失われた水分(不足分)と同じ量を 4時間以内にORSを飲ませて取り戻します。その後、おう吐や 下痢のたびにORSを追加して飲ませて水分を維持します。 飲ませるおおよその量は次の表を参考にしてください。 はじめの4時間は、5分ごとに飲ませるmL数として、体重のkg数と同じ〜その倍量を目安に するとわかりやすいでしょう。
小児胃腸炎の治療
小児の軽度~中等度の脱水症に対する治療にはORTが第一選択とされている
下痢及び脱水症を呈した小児に対する適切な治療の7原則
1,脱水症の是正にはORSを使用する
2,ORTは可及的速やかに開始する(発病後3-4時間以内)
3,ORTにより脱水症が是正されたら速やかに患者の年齢に合った、制限のない食事を提供し、栄養補給を再開する
4,授乳中の幼児では、母乳は継続させる
5,乳児用ミルクを用いている場合はそのミルクを薄めることは推奨しない
特殊なミルクを用いる必要もない
6,下痢で断続的に水・電解質が喪失している場合、ORSを追加接種させる
7,不必要な臨床検査や投薬は行わない
脱水症の治療にはORSが第一に勧められます。
脱水症の症状があればORSを使用しましょう。
脱水症状が落ち着き、患児が欲しがれば食事を再開しましょう。
母乳を与えている乳児には、母乳を継続してください。
(参考資料)
お子様が吐いたら下痢をしたら〜小児急性胃腸炎診療ガイドライン 2017年版 より〜
https://www.os-1.jp/faq/pdf/guideline2017.pdf
