思春期から若年で発熱、咽頭痛、倦怠感があり、咽頭炎の所見がある場合
伝染性単核球症(IM)の可能性があります。
主に原因となるEBウイルスは、
世界人口の90%以上が感染しているよくあるウイルスで、
人の唾液などに分泌されて感染伝播します。
乳児期および小児期では、不顕性感染(初感染で症状がないこと)が多く
思春期および若年成人期で感染すると4-6週間の潜伏期の後、
70%〜80%の人にIMを発症します。
リンパ球のうち非定型リンパ球
(大きく、不規則な形の反応性リンパ球)を多く認めます。
しばしば肝機能障害を合併します。
血液検査で、VCA-IgG、VCA-IgM、EBNAを測定します。
サイトメガロウイルスも原因の5-10%を占めることがあり
(CMV IgM、IgGの測定も検討)
その他、HHV6型、トキソプラズマ症、急性HIV感染症が原因になることもあります。
IMにアモキシシリンやβラクタム系抗菌薬を使用後、
麻疹様皮疹(morbilliform rash)が出ることがあります(抗菌薬の関連不明)。
合併症で脾臓腫大を認め、
コンタクトスポーツなどで脾臓破裂をおこすことがあり、
最低3週間程度のの活動制限をおすすめします。