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高血圧と言われた方へ

 高血圧の診断は診察室血圧と家庭血圧で診断します(図1)。血圧が高い状態が続いていると血管が弾力を失い固くなり(動脈硬化)、血管が詰まりやすくなったり、微細な血管から出血が起こりやすくなります。次第に、脳、心臓、腎臓など体のあちこちに病気が起こり、突然に脳卒中や心筋梗塞の罹患率が高くなります。

健康診断では、通常血圧測定と合わせて、問診、診察、一般検査などで血管や臓器にどの程度影響が及んでいるかを調べます。さらに将来的に影響を及ぼすリスク(図2)がどの程度高いかを検討し、生活習慣の指導に加えて薬物治療が必要かどうか判断します。

近年、肥満など生活習慣が関連した高血圧が増加しています。生活習慣の改善(図3)を心がけましょう。

(図1)高血圧の診断

診察室血圧 収縮期血圧140mmHg以上 または拡張期血圧90mmHg以上

  +

家庭血圧 収縮期135mmHg以上 または拡張期血圧85mmHg以上


(図2)心血管病の危険因子

65歳以上

喫煙

脂質異常(コレステロール、中性脂肪)

肥満

メタボリックシンドローム

若年(50歳未満)発症の心血管病の家族歴

糖尿病


(図3)生活習慣の改善点

減塩ー1日6g未満

食事ー野菜、果物、魚、低脂肪食

運動ー有酸素運動、1日30分以上

減量ーBMI(体重÷身長m÷身長m)25未満

禁煙ー健康のため必ず禁煙を

節酒ー日本酒1合、ビール500mlまで


★循環器疾患リスクチェック https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/circulatory/



表1.成人における血圧値の分類(mmHg)[3]

分類

診察室血圧

家庭血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

正常血圧

<120 かつ <80

<115 かつ <75

正常高値血圧

120-129 かつ <80

115-124 かつ <75

高値血圧

130-139 かつ/または 80-89

125-134 かつ/または 75-84

I度高血圧

140-159 かつ/または 90-99

135-144 かつ/または 85-89

II度高血圧

160-179 かつ/または 100-109

145-159 かつ/または 90-99

III度高血圧

≧180 かつ/または ≧110

≧160 かつ/または ≧100

(孤立性)収縮期高血圧

≧140 かつ <90

≧135 かつ <85


   

参考資料 高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)



Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です