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発達スクリーニング(シンガポール)まとめ

■発達遅延の診断が遅くなると、

成長の可能性を奪われる

学業への影響

続発性メンタルヘルスの問題が生じやすい

家族の心理的負荷が増大し、支援の機会が奪われる

介入は早い方が効果的なことが多い。


■出生前検査で分かること

主に構造的な異常を検出する

脳と脊椎の構造的異常の90%が検出可能

心臓の異常の70%を検出可能

胃腸眼など一部の器官では検出が難しい

スクリーンは臓器の機能は評価できない


■発達に関する有病率

発達遅延の有病率5-10%

全般性発達遅延1-3%

軽度発達障害1-2%

重度発達障害0.5%


■発達スクリーニングの時期


妊娠期間

発達スクリーニング

身長体重

ワクチン

35週以前

修正月齢(24か月まで)

修正月齢(24か月まで)

出生年齢

35-37

出生年齢

修正月齢(24か月まで)

出生年齢

37週以降

出生年齢

出生年齢

出生年齢


■発達スクリーニングの内容

保護者のチェックリストを確認

保護者の心配する内容について確認する

既往歴(妊娠中、出産時)の確認

 出生時聴覚スクリーニングが行われているか確認

再診の場合、前回からの発達状況を振り返る

診察実施

発達スクリーニング(デンバー式4領域)

記録・保護者とまとめ


■一般診察に追加する事項

黄疸

股関節形成不全

心雑音(大動脈狭窄、VSDASD)

眼(角膜の濁り、追視など)

摂食・排便について(幽門狭窄症、腸管回旋異常など除外する)

外陰部(陰嚢水腫、ヘルニア、停留精巣)


■Child Developmental Surveillance(米小児科学会)の内容

親の不安に思う内容を確認する

4領域について月年齢到レベルを確認する

注意深い観察

risk factor /protective factorを確認

記録/連携


■リスク要因(risk factors)について

生物学的リスク要因の例

遺伝

出生前感染(HIVを含む)

薬物、アルコールの使用、喫煙

子宮内成長制限

未熟児・超低体重出生児

アプガースコア、窒息、菌血症、頭部外傷、髄膜炎

低栄養、鉄欠乏性貧血、ヨウ素欠乏症

環境有害物質(例:鉛)


心理社会的リスク要因の例

社会経済的困難

親のメンタルヘルス、産後うつ、知的障害

幼少期のネガティブな経験(トラウマ等)

刺激学習の機会の不足

親の教育レベル

世帯年収




Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です