「百日咳」は、連続する咳を特徴とする急性気道感染症で、患者の咳やくしゃみで感染します。2019年日本では百日咳が多く報告されています。感染者が多いのは小中学世代です。この年代の百日咳の症状は長引く咳のみで治癒することが多いですが、もし百日咳ワクチンをまだ接種していない乳児に感染すると、乳児の咳は重症化し、発作的な咳で低酸素脳症になり後遺症が残ったり、命に係わる危険性もあります。今後も百日咳の流行が継続する可能性があります。乳児が百日咳に感染することがないように、周りの人は予防接種について確認しておきましょう。
■生後2-3か月目で百日咳予防接種を開始しましょう。4種混合、5種混合、6種混合には百日咳ワクチンが含まれています。
■妊娠中16~32週に大人用3種混合(Tdap)を1回接種しましょう。胎児に百日咳の免疫が移行し、出生後の乳児の罹患を防ぐことができます。
■現在報告の多い百日咳患者は、小中学生世代です。予防接種は1歳半で4回目の予防接種がありますが、その後効果が長続きしないようです。米国では4-6歳で5回目の百日咳の予防接種(3種混合)を行っており、小中学生での百日咳罹患を防いでいます。日本小児科学会は、小学校就学前の1年間と11-12歳での3種混合ワクチンの追加接種(任意接種)を推奨しています。
■大人の定期接種で破傷風ワクチン(10年毎接種推奨)があります、破傷風ワクチンの代わり、大人用3種混合を接種することで破傷風と百日咳の免疫を高めることができます。
妊婦のいるご家族は、子供や祖父母に百日咳の予防接種をおすすめします。
百日咳の予防接種を受け、周りの乳児への感染を防止しましょう。