2020年3月に欧米でCOVID-19感染者数が指数関数的な増加を始め、急速な流行状況を不安に感じていたところ、3月19日にシンガポール政府が海外に住む留学生向けに「COVID-19の流行懸念のため緊急帰国を勧める」というを表明した。私の長女はオーストラリアの大学生であったが、オーストラリアの感染者は幸いまだ少なく、娘の住む都市は感染者は1人から数人程度に増えた状況で、キャンパス内の感染者は皆無であった。しかし、シンガポールとの定期直行便の近日中の運休の連絡が届き、あわてて最終の飛行機のチケットを手配し、寮の荷物はそのままで緊急帰星となった。その後数日で、大学は閉鎖され、オーストラリア政府は外で集うことは2人までといった厳しい対策を決定した。このような厳しいロックダウンの中で予想される一人暮らしの精神的ストレス等を考えると娘の緊急帰国は適切な決断だったと思う。一方、オーストラリアの早期のロックダウンにより出国できない、あるいは母国の感染流行の状況も心配などの理由で、帰国せず乗り切った留学生も多かったようだ。