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デングワクチン

デング熱は蚊が媒介するデングウイルスの感染症で、4種類の型(セロタイプ)があります。これらの4種類の型に効果が期待できるデングワクチンが開発され、インドネシア、タイ、フィリピン、ブラジルなど数か国で認可されています。

しかし、デングワクチンが重症のデング熱のリスクを上げると懸念される新たな報告を受け、WHOでは、デングワクチンはデング熱感染既往のない人には接種しないように勧告しました

ワクチン接種は、デング熱の既往のあるものにより高い効果が期待できます。12歳から16歳までのデング熱流行地に住む人に対するワクチンの効果について調べられ、既往歴のあるものは81.9%、既往歴のないものは52.5%の効果だったそうです。

デングワクチンの主な副反応は、注射部位の痛みや腫れ、頭痛、倦怠感などでほぼ3日以内に改善します。発熱は接種後2週間以内に起こることがあります。ちなみにアナフィラキシーショックなどの重篤な副反応は極めてまれです。

まとめ
過去にデング熱と診断されたことのある人には、接種により今後の罹患を予防する効果は高いと考えられますが、デング熱既往のない人には勧められません。

シンガポールのワクチン適応:12歳から45歳までのデング熱の既往のある人
妊娠中や授乳中、免疫低下などの疾患を除く

スケジュール:3回接種(2回目:6か月後、3回目:12か月後)

12歳未満、46歳以上の接種については、現在のところ効果や副反応などのデーターが不十分のため接種はできません。
Centrepointのクリニック, Singapore, Singapore
シンガポールの総合診療医です